【独学A判定】R6技術士二次試験 (電気電子・電力) 設問Ⅱ 過去問再現答案|着雪不具合・送電線増容量対策

技術士試験合格術

こんにちは、デンスケです!

技術士第二次試験の電気電子部門 (電力・エネルギーシステム科目) の過去問対策を進める中で、このような悩みを抱えていませんか?

  • 「知識は詰め込んだのに、論文に何をどうアピールして書けばいいか分からない」
  • 「そもそも制限時間内に回答用紙の文字数を埋めるだけで精いっぱいで、内容を練る余裕がない」
  • 「どの設問でどのコンピテンシーが求められていて、それをどう表現すればいいか知りたい」

技術士試験の論文は、単なる電気の知識を披露する場ではありません。しかし、試験本番の極限状態では「とにかくマス目を埋めなければ」という焦りだけで手が止マらなくなり、結果として「どの設問で、どのコンピテンシー (資質) が問われているか」を意識できないまま答案を書き終えてしまう受験生が非常に多いのが現状です。

試験本番でA判定を掴み取るためには、公式に公表されている「評価基準」を正しく理解し、それに合わせた的確な記述戦略をとることが必須です。

そこで今回は、電気インフラ業務に10年以上携わってきた私の実務経験をもとに、令和6年度試験の設問 Ⅱ-1-2 (架空送電線における雪の不具合と対策) および設問 Ⅱ-2-2 (再エネ接続に伴う送電線の増容量対策工事) のA判定再現答案を徹底的に解説します。

本記事を読めば、「回答用紙の文字数を自然と埋められる論文の骨組み (型) 」と、そこに「合格に必要なコンピテンシーを正しく落とし込むテクニック」が同時に手に入ります。

私が試験本番中にどのような意図を持ってキーワードを選び、限られた時間と文字数の中でどう論文を組み立てたのかという「デンスケの思考プロセス」まで余すことなく公開します。

「何を書いたらいいか分からない」「時間内に書き切れるか不安」という状態を脱出し、明日からの試験対策にすぐ活かせる実践的な内容です。ぜひ最後まで読み込んで、あなたの論文作成のヒントにしてください!

【設問Ⅱ-1-2】架空送電線における雪の不具合と対策:問題文と再現答案

設問Ⅱ-1-2 問題文 (引用)

 架空送電線における雪によって発生する不具合を3つ挙げて、電力輸送面と設備被害面について発生要因と関連して説明し、防止対策について述べよ。

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第二次試験 電気電子部門 選択科目 電力・エネルギーシステム問題(令和6年度)」

A判定再現答案と解説

デンスケの解説・意図(合格へのアプローチ)ポイント

Ⅱ-1の設問では、技術士に求められるコンピテンシーのうち、「専門的学識(基本知識理解・基本理解レベル)」が厳格に評価されます。

私が本番の試験で心がけたのは、着雪・降雪による影響を単に一括りで片付けるのではなく、過荷重による「電線断線およびそれに伴う地絡リスク」と、ギャロッピングやスリートジャンプといった電線の異常運動が引き起こす「相間短絡リスク」について、それぞれの発生メカニズムと事故形態の違いを明確に区別して記述することです。これにより、電気系統の特性とインフラのリスクを正確に統括・理解していることを採点官にアピールしました。

デンスケ流!独学合格を掴む「論文構成」のポイント
  • 現象ごとのメカニズムの緻密な書き分け
    • 荷重による断線 (地絡) と、ギャロッピング (風による揚力運動) やスリートジャンプ (雪の脱落による跳ね上がり運動) による相間短絡。これらがそれぞれどのようなプロセスで系統障害を引き起こすのかを、正確な専門用語で文字数内に落とし込むことがA判定の分かれ目になります。
  • 「潮流 (負荷) 」への言及で差をつける
    • 答案の最後に一言「送電線の潮流が小さく、電線の放熱が小さいときに発生しやすい」という実務的な知見を添えました。これがあるだけで、教科書的な知識だけでなく「実際のインフラ運用を理解しているエンジニア」としての説得力が劇的に向上します。

1.架空送電線における雪によって発生する不具合

①着雪荷重による断線

 湿って重たい雪が電線に着雪すると、雪の重みによって電線が断線するおそれがある。断線すると、電力供給が不可となることに加え、地絡事故に至るおそれがある。

②ギャロッピング

 湿った雪が電線に横から吹き付けると、飛行機の羽のように着雪する。風向きが逆になり、強く風が吹くと、よう力により電線が振動し、短絡事故にいたる恐れがある。短絡電流による熱で電線が溶断するおそれもある。

③スリートジャンプ

 電線に着雪した雪が溶けて落ちるとき、電線が跳ね上がり短絡事故や断線にいたるおそれがある。

①~③に共通して、送電線の潮流が小さく、電線の放熱が小さいときに発生しやすい傾向がある。

2.対策

上記①~③共通の対策として、より線への着雪メカニズムから、難着雪リングとねじれ防止ダンパを送電線に取り付け、着雪を防止する方法があげられる。①については、着雪荷重を考慮した送電線、鉄塔の強度検討を行うことが挙げられる。③については、上線、中線、下線に水平オフセットを設け、電線が真上に跳ね上がっても短絡に至らない配置にすることが挙げられる。 

以上

【設問Ⅱ-2-2】再エネ接続に伴う送電線の増容量対策工事:問題文と再現答案

設問Ⅱ-2-2 問題文 (引用)

 再生可能エネルギー電源の接続のために短期間でなるべく低廉な費用での系統連系が求められる例が多い。このような中で、送電線の増容量対策工事を進める場合、下記の内容について記述せよ。

(1)送電線の増容量に向けて、調査、検討すべき内容を説明せよ。

(2)業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第二次試験 電気電子部門 選択科目 電力・エネルギーシステム問題(令和6年度)」

問題文 (1)~(3) ごとのA判定再現答案と解説

1.送電線増容量工事の調査、検討内容

デンスケの思考|合格へ導く「設問の裏読みと戦略」

近年の技術士試験 (電気電子部門) では、カーボンニュートラルに伴う「再生可能エネルギーの大量導入」と「既存系統の容量不足」がトレンドとなっています。設問Ⅱ-1の問 (1) では、そうした背景を踏まえた電気技術者としての「専門的学識 (業務知識理解・業務理解レベル) 」のコンピテンシーが問われます。

ここで受験生が最も陥りがちなのは、問題文の前提である「短期間・低廉な費用」を無視して、お金と時間がかかる「新しい送電線への全面建て替え」ばかりを安易に提案してしまうNGパターンです。これでは実務能力が疑われ、A判定には届きません。

そこで私は、既存のインフラを最大限に活かす戦略を取りました。単に新しいスペックを並べるのではなく、「一部区間の増強」や「鉄塔は残して線種だけを変更する」といった、コストと工期を劇的に抑えるリアルな検討項目を明記しました。出題者の意図(短期間・低廉)を正確に汲み取った上で、実現性の高い調査計画を提示する戦略です。

デンスケの記述|A判定を掴む「論文落とし込み術」

検討内容を記述する際は、技術者としての引き出しの多さを見せるため、電気的な計算だけでなく「既設ルートの活用」や「現地施工の制約」まで多角的に書き分けるのがコツです。

実際の回答では、実務の現場を意識し【3つの視点】で構成します。

  • 【送電線潮流の想定】:順潮流・逆潮流の条件を整理し、最大負荷となるケースを想定。
  • 【送電線スペック検討】:既設ルート・鉄塔を最大限活用し、コストと工期を抑制。
  • 【現地施工面】:資材搬入・用地確保・停止期間について関係各所と確認・調整。

このように、机上の計算だけでなく「電気系統の条件」から「現場の制約」まで論理的に展開することで、実務に即した高度な専門能力をアピールします。

(1)送電線潮流の想定

 過去の送電線潮流実績や将来の需要、発電動向をもとに、送電線潮流を想定する。潮流の向きは逆潮流、準潮流ともに想定し、厳しい条件を用いる。

(2)送電線スペック検討

 送電線の想定潮流をもとに、線種等の検討を行う。別ルートでの送電線建替の他、既設ルートでの建替が考えられる。特に、一部区間だけの増強ですむ場合や鉄塔は建替えず線種のみの変更で済む場合は、コスト、工期麺で有利のため、積極的に既設設備を活用する。

(3)現地施工面

 資材搬入経路、作業スペースを十分考慮の上、用地を確保する。近隣住民への影響が考えられる場合、影響低減策を検討の上、事前に理解を得るようにつとめる。既設設備の停止が必要かどうか検討し、必要な場合、系統運用者に停止可能な時期、期間について確認する。

2.業務手順と留意点・工夫点

デンスケの思考|合格へ導く「設問の裏読みと戦略」

問 (2) では、限られた資源 (人・モノ・金・時間) を計画的に配分し、プロジェクトのトレードオフを解消する「マネジメント」のコンピテンシーが評価基準となります。

論文を組み立てる際、「自分の知識がある得意なフェーズ (例:施工現場や設計など)」だけに内容が偏ってしまうのは絶対にNGです。試験官は一部分の専門家ではなく、プロジェクト全体を管理できる人を求めているからです。

そこで私は、実務に即した「工程 (時間)」「コスト (金)」「施工体制 (人)」の3大資源を、すべての工程でバランスよく管理するプロセスを提示しようと意識しました。机上の空論を排し、実際の工事計画でエンジニアが直面するリアルな管理項目を業務の全般にわたって網羅することで、採点官に「確かな管理能力」をアピールする戦略を取りました。


デンスケの記述|A判定を掴む「論文落とし込み術」

手順を記述する際は、先ほどの戦略通り、一部分に偏らず「計画・設計」「施工」「運用・保守」の各フェーズを満遍なく網羅し、資源をどう動かすかを具体的に書くのがコツです。

私の答案では、以下のように各フェーズへバランスよく管理キーワードを散りばめました。

  • 【計画・設計】:複数社への見積もりによるコストや性能の比較 (金)
  • 【施工】:リードタイムの確認と日々の進捗管理による工程調整 (時間)
  • 【運用・保守】:優先順位に応じた予算やマンパワーの配分 (金・人)

このように、プロセス全体を1つのストーリーとして俯瞰し、フェーズごとに「何を、どう管理するか(留意点)」をセットで論理的に構成することで、合格水準のマネジメント能力を証明できます。

(1) 送電線仕様決定、資材発注、施工委託断面

 前項の検討事項を考慮して送電線の仕様を決定する。資材発注、施工委託先の選定にあたっては、複数社に見積もりを取り、性能、コスト、安全性、環境適合性等を比較の上、総合的な判断を下す。

(2) 現地施工断面

 資材や現地施工のリードタイムを確認し、予め工程表を作成した上で進める。日々、進捗確認を行い、計画通りでない場合は、要因分析の上、工程の見直しを行う。工事完了時は検査体制を整備し、必要要件を満足していることを確認する。

(3) 設備運用開始後

 初期点検、定期設備点検を行い、不良が見つかった場合はリスク評価を行う。それに基づき、優先順位を定め、限られた予算、マンパワー等を配分し、設備保全を行う。

3.効率的、効果的に進めるための関係者調整方策

デンスケの思考|合格へ導く「設問の裏読みと戦略」

問 (3) では、利害の異なる関係者間で合意形成を図る「リーダーシップ」のコンピテンシーが評価基準となります。

論文を組み立てる際、「関係者と密に連絡調整を行う」といった曖昧な表現で一括りにしてしまうのはNGです。試験官は「誰と、どんな利害があり、どう主導して解決したか」という具体的な巻き込み力 (主導力) を見ているからです。

そこで私は、単なる調整役にとどまらず、プロジェクトを円滑に進めるための「4つの明確な相手」を特定しました。それぞれの立場における懸念点や必要手続き (議事録共有による後戻り防止や、住民への安全確保など) を先回りして主導的に解決するプロセスを提示し、A判定を確実にする戦略を取りました。

デンスケの記述|A判定を掴む「論文落とし込み術」

リーダーシップを記述する際は、主導して調整した相手を「関係者」と一括りにせず、それぞれの立場を明確に書き分けるのがコツです。特定の相手 (例:資材メーカーなど) との調整だけに終始してしまうのは、主導力の範囲が狭いとみなされNGとなります。

私の答案では、利害関係の異なる【4者のステークホルダー】を明確に指定し、それぞれへの具体的なアプローチを記述しました。

  • 【系統運用者】:打合せ議事録を徹底共有し、後戻りのないよう認識を一致させる。
  • 【規制担当官庁】:必要な手続きやリードタイムを事前に確認し、確実に進める。
  • 【メーカー・施工業者】:無理のない工程表を全員で共有し、認識を合わせて進める。
  • 【近隣住民】:事前周知で理解を得て、期間中は交通誘導員を配置し影響を低減する。

このように、「誰と」「何を」「どう解決したか」をセットで具体的に記述することで、プロジェクトを円滑に牽引する合格水準のリーダーシップを証明できます。

①系統運用者:工事に着手する前に、増容量後の送電線必要容量について確認する。打合せの議事録を共有することで認識を合わせ、後戻りのないように進める。

②規制担当官庁:送電線増容量工事にあたり必要となる手続き、リードタイムを確認の上、進める。

③資材メーカー・現地施工業者:リードタイムを確認の上、無理のない工程を立案する。工程表は関係者で共有し、認識を合わせながら進める。

④近隣住民:搬入経路や作業スペースの用地専有や工事車両の通行について事前周知し、十分な理解を得たうえで進める。工事期間中は、交通誘導員を配置するなど、近隣住民への影響を低減するように努める。

以上

おわりに | A判定の「型」を自分の武器にしよう

今回は、令和 6年度試験の設問 Ⅱ-1-4 (送電線増容量対策) および設問 Ⅱ-2-1 (着雪不具合) を題材に、公表されている評価基準に沿った記述戦略を詳しく解説しました。

技術士の論文試験は、単に知識を暗記しているだけでは合格できません。出題者がどの設問で「どのコンピテンシー (専門的学識・マネジメント・リーダーシップなど) 」を求めているのかを正確に看破し、それを限られた文字数の中で採点官にアピールする「文章構成の戦略」が不可欠です。

論文作成において、「文字数を埋めるだけで精いっぱい」という状態から抜け出すためには、合格に必要なコンピテンシーをあらかじめ組み込んだ「論文の骨組み (型) 」をどれだけストックできているかが勝負を分けます。今回ご紹介した思考プロセスや構成のポイントを、ぜひあなたの過去問演習でも繰り返し実践し、自分自身の得意なパターン(論文の型)として落とし込んでみてください。


技術士二次試験の合格率を飛躍的に高めるステップアップ案内

当ブログでは、電気電子部門 (電力・エネルギーシステム科目) の合格を目指す受験生のために、完全独学での突破口となる実践的なコンテンツを公開しています。

1. 【最優先】迷いを断ち切る「合格の土台」を作りたい方へ

技術士二次試験の論文対策を進める中で、「高い専門知識を有することをアピールしなければ……」「応用能力も、高い業務遂行能力も、問題解決能力もすべて網羅しなければ……」と、求められる要求の多さに頭を悩ませ、記述の方向性で手が止まってしまう受験生は非常に多いです。

しかし、試験制度の歴史的な変遷を客観的に紐解くことで、そのすべての迷いは一発で解消されます。

かつての記述試験は「個人の高い実務能力や知識を示すこと」に重きが置かれていました。しかし、現在の国際標準化(IEA:国際エンジニアリング連合の指標準拠)された試験制度においては、「コンピテンシー(資質能力)で評価すること」が明確に定義されています。公式の試験説明には過去の名残が一部残っているため混同しがちですが、現代の試験を最短で突破するルートは、迷うことなくコンピテンシーアピールに全力を注ぐことです。

私が予備校に通わず、完全独学で電験 1種や技術士を突破したプロセスの「すべての土台」となった合格の本質を、以下の記事で徹底解説しています。論文の打率を根底から引き上げる最強の武器になりますので、まず最初にこの記事からチェックしてみてください。

2. 設問 Ⅱで確実にA判定をもぎ取りたい方へ

設問 Ⅱの論文を組み立てる際、アピール内容を1ミリもブレさせないための実践的な記述テクニックを解説しています。

試験でよく狙われる代表的な設問文のパターンを整理し、それぞれに求められるコンピテンシーと、評価を落とさないための解答の要点(記述のスタンス)をわかりやすくまとめました。本記事の事例(令和 6年度問題)を解く際にも、そのまま応用できる普遍的なノウハウが詰まった解説記事です。

3. 他年度のA判定再現答案をもっと読みたい方へ

本記事の思考プロセスが、他の年度でどのように活かされているかを確認できる「令和 5年度過去問のA判定再現答案と解説記事」です。年度ごとのアプローチの違いを比較・分析することで、初見の問題に対する対応力が一段と深まります。

エンジニアのための実務効率化Tips

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日本の電気インフラを足元から支えるエンジニアの皆様が、日々の多忙な業務を乗り越え、技術士の栄冠を掴むことを心から応援しています。実務も試験対策も効率的に突き詰めて、一緒に一歩ずつ進んでいきましょう!

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