技術士二次試験 令和5年度 電気電子部門Ⅱ―1―4、Ⅱ―2―1 再現論文

こんにちわ、デンスケです!

令和6年度技術士第二次試験(電気電子部門)に独学で合格実績のある”デンスケ”が、”最新”の技術士試験の合格ノウハウを伝えたいと思います。

ブログに不慣れなので、まずは単純に、自分が試験で回答した論文の再現を公表してみます。拙い内容で、誤りも含まれると思いますが、ご容赦ください。

今回は、令和5年度 電気電子部門Ⅱ―1―4、Ⅱ―2―1です。

合否通知では、A判定(得点率60%以上)でした。

Ⅱ―1―4問題

電気使用場所での電圧を一定に保つ目的で、配電系統における電圧を制御する方法を3つ挙げ、それぞれの内容を述べよ。

Ⅱ―1―4再現論文

1.配電用変圧器のタップ制御による送出電圧調整

 配電用変圧器のタップ制御により、配電用変電所の送り出し電圧を目標値に調整する。予め設定した一日の目標電圧に制御するプログラマブルコントロール方式がある。この他、配電線電流を元に、電圧降下量を算出し、送り出し電圧を補正するLDC方式もある。

2.調相設備による無効電力調整

 電気使用場所に分路リアクトルや電力用コンデンサなどの調相設備を設置し、無効電力を制御することで電圧調整を行う。無効電力調整時の電圧変動緩和のため、タップを持つものもある。電気炉等、無効電力変動が大きい電気使用場所の場合、無効電力変動を瞬時に検出し、無効電力補償を高速に行うSVCが電圧を一定にする上で有効となる。

3.SVR

 亘長が長い配電線路においては配電用変電所から末端の需要家までの電圧降下量が大きく、送り出し電圧の調整だけでは適切な電圧を維持できない。この対策として、配電線路途中にSVRを設け、変圧器タップにより電圧調整を行う。

以上

Ⅱ―2―1問題

脱炭素化を目的とし、国内における離島を対象としたマイクログリッド(小規模独立型電力供給システム)の建設を行うこととなった。あなたがこの業務を責任者として進めるに当たり、下記の内容について説明せよ。

(1)当該マイクログリッドの建設工事を進めるに当たり、調査、検討すべきポイントとその内容を説明せよ。

(2)業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

Ⅱ―2―1再現論文

1.マイクログリッド建設工事の調査、検討ポイント

(1)負荷特性の把握

 独立型電力供給システムを実現する上で、需給調整を適切に行うため、負荷特性を把握することが必要である。季節ごと、時間帯ごとの最大、最小、平均電力の把握や電力の変化速度等を把握する必要がある。

(2)発電設備の仕様

 独立型電力供給システムを実現する上で、再エネを有効活用することは重要であるが、適切な供給力、調整力をしっかりと確保する必要がある。発電方式、発電容量、ガバナ機能、出力変化速度等の仕様について検討する必要がある。

(3)現地施工

 付帯設備を含む発電設備の大きさ、作業スペース、搬入経路、電力系統との接続などを考慮の上、発電設備の設置場所を検討する。振動や騒音などの影響が考えられる場合、周辺環境への影響にも留意する。

2.業務手順と留意点、工夫点

(1)仕様決定、発注断面

 前項の検討結果をもとに、発電設備の仕様を決定する。当該仕様を用いて複数社に見積もりを取り、性能、コスト、納期、安全性、環境適合性等、総合的な評価を行い、取引先を選定する。

(2)現地施工断面

 機器納入や現地施工のリードタイムを確認し、予め施工計画を立てた上で工事を進める。日々、進捗確認を行い、計画どおりに進んでいない場合は、要因を分析の上、計画の見直しを行う。また、工事完了時の検査体制を整備し、必要要件が満足されていることをしっかりと確認する。

(3)運転開始後

 脱炭素化の目的に対し、事前に想定した運用ができているか評価し、できていない場合は運用方法の見直しを検討する。また、定期的に設備点検を行い、不良があった場合はリスク評価の上、予防保全、事後保全などの対応を検討する。

3.効率的、効果的に進めるための関係者調整方策

①クライアント:初期段階でクライアントのニーズ、方向性を確認し、議事録などで共有することで、後戻りなく進める。

②規制担当官庁:必要な手続き、リードタイムを確認の上、計画的に進める。

③機器納入・現地施工業者:機器納入、現地施工のリードタイムを確認し、無理のない工程を立てる。工程表は関係者で共有し、認識を合わせた上で進める。

④近隣住民:工事車両の通行など、事前に周知し、理解を得た上で進める。工事期間中は交通誘導員を配置するなど、近隣住民への影響を最小化するよう努める。

以上

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