【独学A判定】R5技術士二次試験 (電気電子・電力) 設問Ⅱ 過去問再現答案|電圧制御・離島マイクログリッド

技術士試験合格術

こんにちは、デンスケです!

技術士第二次試験の電気電子部門 (電力・エネルギーシステム科目) の過去問対策を進める中で、このような悩みを抱えていませんか?

  • 「知識は詰め込んだのに、論文に何をどうアピールして書けばいいか分からない」
  • 「そもそも制限時間内に回答用紙の文字数を埋めるだけで精いっぱいで、内容を練る余裕がない」
  • 「どの設問でどのコンピテンシーが求められていて、それをどう表現すればいいか知りたい」

技術士試験の論文は、単なる電気の知識を披露する場ではありません。しかし、試験本番の極限状態では「とにかくマス目を埋めなければ」という焦りだけで手が止まらなくなり、結果として「どの設問で、どのコンピテンシー (資質) が問われているか」を意識できないまま答案を書き終えてしまう受験生が非常に多いのが現状です。

試験本番でA判定を掴み取るためには、公式に公表されている「評価基準」を正しく理解し、それに合わせた的確な記述戦略をとることが必須です。

そこで今回は、電気インフラ業務に10年以上携わってきた私の実務経験をもとに、令和5年度試験の設問 Ⅱ-1-4 (配電系統の電圧制御) および設問 Ⅱ-2-1 (離島マイクログリッド建設) のA判定再現答案を徹底的に解説します。

本記事を読めば、「回答用紙の文字数を自然と埋められる論文の骨組み (型) 」と、そこに「合格に必要なコンピテンシーを正しく落とし込むテクニック」が同時に手に入ります。

私が試験本番中にどのような意図を持ってキーワードを選び、限られた時間と文字数の中でどう論文を組み立てたのかという「デンスケの思考プロセス」まで余すことなく公開します。

「何を書いたらいいか分からない」「時間内に書き切れるか不安」という状態を脱出し、明日からの試験対策にすぐ活かせる実践的な内容です。ぜひ最後まで読み込んで、あなたの論文作成のヒントにしてください!

【設問 Ⅱ-1-4】配電系統の電圧制御:問題文と再現答案

設問 Ⅱ-1-4 の問題文 (引用)

電気使用場所での電圧を一定に保つ目的で、配電系統における電圧を制御する方法を3つ挙げ、それぞれの内容を述べよ。

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第二次試験 電気電子部門 選択科目 電力・エネルギーシステム問題(令和5年度)」

A判定再現答案と解説

デンスケの思考 | 合格へ導く「評価基準の分析とアプローチ方針」

技術士試験の設問 Ⅱ-1 では、基礎的な「専門的学識 (基本知識理解・基本理解レベル) 」のコンピテンシーがストレートに問われます。本番中、単に機器の名前を並べるだけでは知識の深さがアピールできないと判断しました。

そこで私は、電気使用場所での電圧を適正範囲に保つための「異なるアプローチの技術」を、日本の重要インフラを支える電気技術者としての客観的な視点で整理する戦略を取りました。

具体的には、制御対象と設置場所が明確に異なる【3つの軸】を瞬時に選択し、知識の幅広さと応用力を出題者に示しました。

  • 【変圧器のタップ制御】: 配電用変電所の送り出し側での電圧調整
  • 【調相設備による無効電力調整】: 需要家 (電気使用場所) 側での無効電力制御
  • 【線路途中の設備 (SVR) 】: 配電線路の途中 (長亘長路線の末端) での電圧維持
デンスケの記述 | A判定を掴む「コンピテンシー落とし込み術」

記述の際は、高圧・特高電気設備の保護制御システム構築などの実務でも基本となる専門用語を正確に使い、文字数がタイトな Ⅱ-1 の枠内で簡潔にまとめました。

  • 技術ごとの特性と適用シチュエーションの対比
    • 1つ目のタップ制御では「LDC方式」などの具体的な制御モードに言及。
    • 2つ目の調相設備では、高速応答が可能な「SVC」を明記して効果を強調。
    • 3つ目のSVRでは、「亘長が長い線路における末端電圧維持」という設置目的を明確に記述。
  • ナンバリング (1. 2. 3.) による構造化
    • 各技術の特性を対比させて明示することで、採点官へ「専門的学識」が確実に伝わる構成に落とし込んでいます。

1.配電用変圧器のタップ制御による送出電圧調整

 配電用変圧器のタップ制御により、配電用変電所の送り出し電圧を目標値に調整する。予め設定した一日の目標電圧に制御するプログラマブルコントロール方式がある。この他、配電線電流を元に、電圧降下量を算出し、送り出し電圧を補正するLDC方式もある。

2.調相設備による無効電力調整

 電気使用場所に分路リアクトルや電力用コンデンサなどの調相設備を設置し、無効電力を制御することで電圧調整を行う。無効電力調整時の電圧変動緩和のため、タップを持つものもある。電気炉等、無効電力変動が大きい電気使用場所の場合、無効電力変動を瞬時に検出し、無効電力補償を高速に行うSVCが電圧を一定にする上で有効となる。

3.SVR

 亘長が長い配電線路においては配電用変電所から末端の需要家までの電圧降下量が大きく、送り出し電圧の調整だけでは適切な電圧を維持できない。この対策として、配電線路途中にSVRを設け、変圧器タップにより電圧調整を行う。

以上

【設問 Ⅱ-2-1】離島マイクログリッド建設:問題文と再現答案

設問 Ⅱ-2-1 の問題文 (引用)

脱炭素化を目的とし、国内における離島を対象としたマイクログリッド(小規模独立型電力供給システム)の建設を行うこととなった。あなたがこの業務を責任者として進めるに当たり、下記の内容について説明せよ。

(1)当該マイクログリッドの建設工事を進めるに当たり、調査、検討すべきポイントとその内容を説明せよ。

(2)業務を進める手順を列挙して、それぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ。

(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第二次試験 電気電子部門 選択科目 電力・エネルギーシステム問題(令和5年度)」

問題文 (1)~(3) ごとのA判定再現答案と解説

1.マイクログリッド建設工事の調査、検討ポイント

デンスケの思考 | 合格へ導く「評価基準の分析とアプローチ方針」

実務記述問題である設問 Ⅱ-2 の問 (1) は、「専門的学識 (業務知識理解・業務理解レベル) 」のコンピテンシーが求められます。

独立型電力供給システムを構築するにあたり、現地の制約条件や技術的な課題を多角的に抽出・分析できる能力を示す必要があります。ここで最も重要なのは、電気計算や設備仕様といった特定のジャンルだけに偏らず、業務全体を広く見渡して必要な検討事項をバランスよく挙げることです。

私は、離島という限定された環境特有の制約 (再エネの出力変動や施工スペースの限界など) を想定しました。

出題者の意図を裏読みし、自分の得意なフェーズに思考を固定せず、「需給バランスの維持」という技術面の視点と「現地の施工環境」という実務面の視点の双方から、プロジェクト全体で本当に必要なデータを過不足なく洗い出す戦略を立てました。

デンスケの記述 | A判定を掴む「コンピテンシー落とし込み術」

実際の答案では、技術的な説得力を持たせるためにキーワードを具体化しました。

特定の分野に偏ることなく、インフラエンジニアとしての実務視点に基づく項目を大項目で整理し、採点官が瞬時に「業務全体を網羅できている」と評価できるように記述しています。

回答は、現場の全体像を意識し、系統の条件から施工の制約までカバーする【3つの視点】で構成します。

  • 【負荷特性の把握 (需要面の視点) 】: 適切な需給調整のため、季節・時間帯ごとの最大・最小・平均電力や変化速度を把握。
  • 【発電設備の仕様 (供給面の視点) 】: 再エネ有効活用のための調整力確保として、発電方式、容量、「ガバナ機能」、出力変化速度を検討。
  • 【現地施工 (施工・環境面の視点) 】: 「施工スペースの確保」や、周辺環境への影響である「振動・騒音」などの実務的制約を明記。

(1)負荷特性の把握

 独立型電力供給システムを実現する上で、需給調整を適切に行うため、負荷特性を把握することが必要である。季節ごと、時間帯ごとの最大、最小、平均電力の把握や電力の変化速度等を把握する必要がある。

(2)発電設備の仕様

 独立型電力供給システムを実現する上で、再エネを有効活用することは重要であるが、適切な供給力、調整力をしっかりと確保する必要がある。発電方式、発電容量、ガバナ機能、出力変化速度等の仕様について検討する必要がある。

(3)現地施工

 付帯設備を含む発電設備の大きさ、作業スペース、搬入経路、電力系統との接続などを考慮の上、発電設備の設置場所を検討する。振動や騒音などの影響が考えられる場合、周辺環境への影響にも留意する。

2.業務手順と留意点、工夫点

デンスケの思考 | 合格へ導く「評価基準の分析とアプローチ方針」

続く設問 Ⅱ-2 の問 (2) では、「マネジメント」のコンピテンシーが評価基準となります。プロジェクトの各段階におけるリスクを予期し、人員・資源・工程を最適に配分・管理する資質を見せるパートです。

論文を組み立てる際、自分の得意なフェーズだけに内容が偏ってしまうのは絶対にNGです。

私は、限られた工期の中で手戻りを防ぐための「転換点 (マイルストーン) 」を意識しました。単なる工事プロセスの羅列に終始せず、「計画・実行・評価」という業務のライフサイクルの中で、管理責任者としてどこでどのような創意工夫や見直しを行うべきか、手順を組み立てる戦略をとりました。

デンスケの記述 | A判定を掴む「コンピテンシー落とし込み術」

業務のストリームが一目で伝わるように、時系列を【3つの断面】に分けて整理しました。

ただの作業内容を書くのではなく、すべての文章の結びにマネジメントの要素 (要求品質・工程・コスト・リスク管理)を含めることで、プロジェクトを統括する立場としての記述に落とし込んでいます。

  • 【仕様決定・発注断面 (計画) 】: 性能、コスト、納期、安全性、環境適合性など「総合的な評価による取引先選定」を明記。
  • 【現地施工断面 (実行) 】: リードタイム確認と、「進捗遅れ時の要因分析と計画見直し」、完了時の検査体制整備を記述。
  • 【運転開始後 (評価・保全) 】: 想定通りの運用ができているかの評価と、リスク評価に基づく「保全計画の見直し」を提示。

(1)仕様決定、発注断面

 前項の検討結果をもとに、発電設備の仕様を決定する。当該仕様を用いて複数社に見積もりを取り、性能、コスト、納期、安全性、環境適合性等、総合的な評価を行い、取引先を選定する。

(2)現地施工断面

 機器納入や現地施工のリードタイムを確認し、予め施工計画を立てた上で工事を進める。日々、進捗確認を行い、計画どおりに進んでいない場合は、要因を分析の上、計画の見直しを行う。また、工事完了時の検査体制を整備し、必要要件が満足されていることをしっかりと確認する。

(3)運転開始後

 脱炭素化の目的に対し、事前に想定した運用ができているか評価し、できていない場合は運用方法の見直しを検討する。また、定期的に設備点検を行い、不良があった場合はリスク評価の上、予防保全、事後保全などの対応を検討する。

3.効率的、効果的に進めるための関係者調整方策

デンスケの思考 | 合格へ導く「評価基準の分析とアプローチ方針」

最後の設問 Ⅱ-2 の問 (3) では、「リーダーシップ」のコンピテンシーが評価基準となります。多様なステークホルダー (利害関係者) の間で生じる利害の対立を解消し、プロジェクトを円滑に推進する調整能力が厳しくチェックされます。

論文を組み立てる際、「関係者と密に連絡調整を行う」といった曖昧な表現で一括りにしてしまうのはNGです。

私は、離島での大規模工事において「誰が、どのような懸念 (納期、騒音、手続きなど) を持つか」をリアルに想定しました。それぞれの関係者に対して、インフラエンジニアとしての責任を持って主導的に調整へ動くスタンスを示しました。

デンスケの記述 | A判定を掴む「コンピテンシー落とし込み術」

リーダーシップを記述する際は、調整相手を「関係者」と一括りにせず、それぞれの立場を明確に書き分けるのがコツです。

答案では、利害関係の異なる【4つのグループ】に明確に分離して列挙し、利害を一致させてチームを引っ張る具体的なアプローチを個別に対比させて記述しました。

  • 【① クライアント】: 初期段階のニーズ確認と議事録共有による「後戻り防止」
  • 【② 規制担当官庁】: 必要手続きの「リードタイム確認」に基づく計画的進行
  • 【③ 機器納入・現地施工業者】: 工程表の共有による「認識合わせ」と無理のない工程管理
  • 【④ 近隣住民】: 事前周知による理解獲得と、期間中の「交通誘導員の配置」などの影響最小化

①クライアント:初期段階でクライアントのニーズ、方向性を確認し、議事録などで共有することで、後戻りなく進める。

②規制担当官庁:必要な手続き、リードタイムを確認の上、計画的に進める。

③機器納入・現地施工業者:機器納入、現地施工のリードタイムを確認し、無理のない工程を立てる。工程表は関係者で共有し、認識を合わせた上で進める。

④近隣住民:工事車両の通行など、事前に周知し、理解を得た上で進める。工事期間中は交通誘導員を配置するなど、近隣住民への影響を最小化するよう努める。

以上

おわりに | A判定の「型」を自分の武器にしよう

今回は、令和 5年度試験の設問 Ⅱ-1-4 (配電系統の電圧制御) および設問 Ⅱ-2-1 (離島マイクログリッド建設) を題材に、公表されている評価基準に沿った記述戦略を詳しく解説しました。

技術士の論文試験は、単に知識を暗記しているだけでは合格できません。出題者がどの設問で「どのコンピテンシー (専門的学識・マネジメント・リーダーシップなど) 」を求めているのかを正確に看破し、それを限られた文字数の中で採点官にアピールする「文章構成の戦略」が不可欠です。

論文作成において、「文字数を埋めるだけで精いっぱい」という状態から抜け出すためには、合格に必要なコンピテンシーをあらかじめ組み込んだ「論文の骨組み (型) 」をどれだけストックできているかが勝負を分けます。今回ご紹介した思考プロセスや構成のポイントを、ぜひあなたの過去問演習でも繰り返し実践し、自分自身の得意なパターン(論文の型)として落とし込んでみてください。


技術士二次試験の合格率を飛躍的に高めるステップアップ案内

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1. 【最優先】迷いを断ち切る「合格の土台」を作りたい方へ

技術士二次試験の論文対策を進める中で、「高い専門知識を有することをアピールしなければ……」「応用能力も、高い業務遂行能力も、問題解決能力もすべて網羅しなければ……」と、求められる要求の多さに頭を悩ませ、記述の方向性で手が止まってしまう受験生は非常に多いです。

しかし、試験制度の歴史的な変遷を客観的に紐解くことで、そのすべての迷いは一発で解消されます。

かつての記述試験は「個人の高い実務能力や知識を示すこと」に重きが置かれていました。しかし、現在の国際標準化(IEA:国際エンジニアリング連合の指標準拠)された試験制度においては、「コンピテンシー(資質能力)で評価すること」が明確に定義されています。公式の試験説明には過去の名残が一部残っているため混同しがちですが、現代の試験を最短で突破するルートは、迷うことなくコンピテンシーアピールに全力を注ぐことです。

私が予備校に通わず、完全独学で電験 1種や技術士を突破したプロセスの「すべての土台」となった合格の本質を、以下の記事で徹底解説しています。論文の打率を根底から引き上げる最強の武器になりますので、まず最初にこの記事からチェックしてみてください。

2. 設問 Ⅱで確実にA判定をもぎ取りたい方へ

設問 Ⅱの論文を組み立てる際、アピール内容を1ミリもブレさせないための実践的な記述テクニックを解説しています。

試験でよく狙われる代表的な設問文のパターンを整理し、それぞれに求められるコンピテンシーと、評価を落とさないための解答の要点(記述のスタンス)をわかりやすくまとめました。本記事の事例(令和 5年度問題)を解く際にも、そのまま応用できる普遍的なノウハウが詰まった解説記事です。

3. 他年度のA判定再現答案をもっと読みたい方へ

最新の試験傾向と対策を詰め込んだ「令和 6年度過去問のA判定再現答案と解説記事」です。年度ごとのアプローチの違いを比較・分析することで、初見の問題に対する対応力が一段と深まります。

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