こんにちは、デンスケです!
令和6年度の技術士第二次試験(電気電子部門)に独学でリベンジ合格したデンスケが、今日も生々しい合格ノウハウをお届けします。
突然ですが、選択科目Ⅲの過去問演習をしていて、あるいは本番を想定したときに、このような不安や疑問を抱えていませんか?
- 「自分では完璧に書けたつもりなのに、なぜか不合格(B判定)になったのかわからない」
- 「記述式の論文の中で、結局、何をどうアピールすればいいのかよくわからないまま手を動かしている」
- 「多面的な観点からの比較や評価について、試験官に納得してもらえるように伝えるにはどう書けばいいのか分からない」
選択科目Ⅲは、午前中の「問題Ⅰ」とは異なり、あなたの専門分野における技術者としての高い見識(コンピテンシー)がダイレクトにチェックされる重要な科目です。
しかし、試験本番の極限状態では、焦りから「とにかく文字数を埋めてマス目を完成させなければ」という意識だけが先行し、出題者の意図や評価基準から外れた論文を力任せに書いてしまう受験生が後を絶ちません。
実は、見事にリベンジ合格を果たした令和6年度の試験において、デンスケはこの選択科目Ⅲ(問題Ⅲ-1)で「B判定(得点率40%以上60%未満)」をとってしまいました。選択科目Ⅱの貯金でなんとか総合合格できたものの、この科目の点数を見たときは冷や汗が流れました。
当時は「3枚ギチギチに書いたし、多面的な観点も意識したから大丈夫だ!」と確信していたのですが、今振り返ると、アピールポイントが定まらないまま見切り発車したせいで、前年度の不合格から猛省していたはずの「全く同じ致命的な罠」を、本番の緊張感のなかで再び踏み抜いていたのです。
そこで今回は、デンスケが合格年に書いてしまったリアルなB判定再現答案を丸ごと公開するとともに、独学受験生が本番の魔物に呑まれないための「不合格の境界線」を徹底的に解剖します!
「多面的な観点に悩み、必死に手を動かしている」という状態を脱出し、試験官に一発で伝わる論文を書くための実践的な内容です。ぜひ私の屍を越えて、あなたの合格への強力な武器にしてください!
令和6年度 選択科目Ⅲ-1「再生可能エネルギーと電力貯蔵技術」の問題文
太陽光発電や風力発電といった気象条件によって発電量が左右される再生可能エネルギーの有効活用のため、電力貯蔵技術への期待が高まっている。電力の安定供給を将来にわたり実現するべく、これらの技術の活用によるカーボンニュートラルの推進が求められている。このような状況を踏まえて、電力・エネルギーシステム分野の技術者として、政策面ではなく技術面から、以下の問いに答えよ。
(1)具体的な電力貯蔵技術を複数挙げて、それぞれについて多面的な観点から比較・評価し、電力貯蔵技術の導入・普及を進めていくうえでの課題を、観点とともに3つ示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題の解決策を3つ示せ。
(3)前問(2)で示した解決策に伴って新たに生じうるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第二次試験 電気電子部門 選択科目 電力・エネルギーシステム問題(令和6年度)」
デンスケの令和6年度「B判定」再現答案
1.電力貯蔵技術の導入・普及を進める上での課題
具体的な電力貯蔵技術と特徴について以下に示す。
①揚水発電:電力を使って下池から上池に水をくみあげ、逆向きに水を流したときに発電する。大規模な土木工事が必要となるため、開発可能な場所が限られる。
②蓄電池:充電と放電により電力貯蔵運用を行う。鉛蓄電池、リチウム電池、NAS電池、レドックスフロー電池等、様々なタイプが有り、家庭用の小型のものから蓄電所の大型のものまで普及してうる。
③水素:水の電気分解によって水素を製造することでエネルギーを貯蔵する。水素は燃料電池として用いるほか、メタンやアンモニアの生成や水素還元鉄への利用等様々な活用が考えられるが、技術は未成熟である。
電力貯蔵技術の導入・普及にあたっての課題について以下に示す。
(1)電力流通設備の熱容量の観点
立地制約から、再エネの発電設備と電力貯蔵設備は離れた場所に設置しなければならないことが考えられるが、間の電力流通設備の熱容量が普及の支障となることが考えられる。このため、電力流通設備の熱容量制約の解消が課題である。
(2)活用方法の観点
単に余剰電力を貯蔵するだけではなく、需給調整力としての活用や送電線混雑解消のための活用等、多様な活用方法を用意することで、普及が進むと考えられる。このため、各種活用システムの開発が課題である。
(3)水素として貯蔵したエネルギーの活用の観点
水素は他の電力貯蔵技術と異なり、非電化分野への活用ポテンシャルを秘めているが、活用技術が未成熟である。このため、水素の活用、輸送技術を発展させていくことが課題である。
2.最重要課題と解決策
「電力流通設備の熱容量制約の解消」は各電力貯蔵技術に共通する課題であり、導入効果に大きく影響するため、最重要課題と考える。当該課題解決により導入効果を拡大することで、他の課題にも波及効果があると考えられる。解決策を次に示す。
(1)電力貯蔵設備の適地への誘導
電力流通設備の増強を行うよりも、増強が不要な場所で系統連系するよう電力貯蔵設備の設置場所を誘導したほうが、コスト、工期、環境負荷低減面等でメリットがある。また、送電ロスの低減も期待できる。一般送配電事業者には、適切な情報開示が求められる。
(2)需要側ノンファーム型接続
発電側では、系統混雑時に発電を抑制することを条件に、設備増強なしで系統連系するノンファーム型接続が認められている。電力貯蔵設備では、需要側の送電線潮流で系統混雑が発生する可能性があるが、需要側にもノンファーム型接続を適用し、設備増強なしで系統連系を認めるのが合理的と考える。
(3)需要側N-1電制
通常、2回線送電線では、1回線停止になっても熱容量超過が発生しないよう、運用容量を1回線分の熱容量に制限している。N-1電制装置により1回線送電線停止時に即座に電源を制限することで、運用容量を拡大する取り組みが行われている。電力貯蔵設備の導入にあたって、需要側のN-1電制装置を開発することにより運用容量を拡大することが有効である。
3.解決策に伴って新たに生じうるリスクと対策
ノンファームシステムやN-1電制装置を適用した場合、システム停止時に熱容量超過が発生し、設備損壊や公衆災害発生などのリスクが生じる。対策として、ファイアウォールやセキュリティ対策等に加え、システム二重化、ユーマンエラー防止のための人材教育の徹底などによりシステム停止を防止する。また、システムが停止してしまった場合の暫定運用方法の整備や早期復旧のための体制整備も有効である。
この他のリスクとして、蓄電池や燃料電池等の回転機以外の系統連系量が増えると、慣性力の低下により、系統事故時のRoCoFが増大し、PCS電源の一斉脱落等が生じるリスクがある。対策として、PCSへ模擬慣性力の導入や同期調相機、系統安定化装置の導入があげられる。
以上
【猛省】文字数を埋めるのに必死で、またしても踏んだ2つの地雷
なんとか3枚を埋め尽くし、総合合格をもぎ取ったものの、この論文が「B判定」に沈んだ理由は明確です。
冷静さを失った本番の極限状態で、私は2つの大きな地雷を踏んでいました。
敗因1:前年の大失敗をリピート!解決策(1)が「政策・制度」に直撃
問題文には、わざわざ斜体で強調するかのように「政策面ではなく技術面から」という強力な縛りがありました。
それに対して、私が文字数を埋めるために焦ってひねり出した解決策の1つ目は「電力貯蔵設備の適地への誘導」です。さらに文末には「適切な情報開示が求められる」とまで書いてしまいました。
これは完全に「インフラの制度設計」や「事業者への政策的な働きかけ」の話であり、技術者が提示すべき「技術的解決策」から完全に逸脱しています。前年度に同じ過ち(電気料金プランの提示)をして不合格になったにもかかわらず、本番の魔物に呑まれて同じブレーキを踏み抜いてしまったのです。
- こう書けばA判定だった!
中身の狙いは悪くないからこそ、切り口を技術に100%寄せるべきでした。
例えば、「一般送配電事業者が系統の空き容量をリアルタイムに可視化する『マッピングシステムの開発・運用』」のように、システムやハードウェアの技術的な方向へ言い換える工夫をしていれば、減点を確実に回避できたはずです。
敗因2:「分かりやすさ」を狙った表現に潜む、伝わらないリスク
解決策(2)の「需要側ノンファーム型接続」や、(3)の「需要側N-1電制」について、私の頭の中では「系統混雑時に『蓄電池の充電(需要)』を自動制御・抑制する技術」を想定していました。
専門用語をそのまま並べるよりも、「需要側」と言い換えた方が分かりやすく伝わるだろうと考えたのです。
しかし、この言葉選びが裏目に出て、「伝わらないリスク」を顕在化させてしまいました。
私の記述の仕方では、「蓄電池の制御」ではなく、「一般の需要家(工場や家庭)の電気使用量を強制的に制限する」という意味に受け取られる余地が残ってしまったのです。
技術士の試験では、専門外の採点者にも100%誤解なく意図を伝える「コミュニケーション(包摂的な意思疎通)」の資質が厳しく見られます。「良かれと思って選んだ表現」でも、主旨が正確に記述できていなければ、試験官には伝わりません。本番の記述において、言葉選びがいかに繊細であるかを痛感したミスでした。
まとめ|「文字数を埋める焦り」こそが最大の敵
技術士二次試験の論文において、「知識が足りなくて書けない」ことよりも、「文字数を埋めるために焦って、問題文の絶対ルールを破ってしまう」ことの方が圧倒的に恐ろしいです。
2年連続で同じ「政策の罠」にハマりかけた私のこの苦いB判定答案は、「本番で冷静さを保つことがいかに難しいか」を物語っています。
もしあなたが今、過去問演習で「とにかく枠を埋めなきゃ!」と見切り発車で手を動かしているなら、一度ペンを止めてください。問題文の「カッコ書き」や「制約」を、2回見直す余裕を持つこと。それこそが、B判定の泥沼から抜け出す唯一の脱出ルートです!
次のステップ:A判定の答案とどこが違うのか?
今回の令和6年度の論文はB判定に沈んだものの、私が試験の本質を徹底的に分析し、見事に「A判定」をもぎ取ることができた別の過去問(令和5年度 選択科目Ⅲ-2)の再現答案を下記の記事で公開しています。
知識の量ではなく「書き方」だけで、あるいは問題文の制約(技術面)をどう守るかで、ここまで答案の説得力が変わるのかと驚くはずです。
今回の「B判定答案」と、私の「A判定合格答案」の2つを読み比べることで、試験官が本当に求めている合格ラインの『決定的な壁』がはっきりと見えてきます。 ぜひ、あなたの論文対策の質を劇的に高めるヒントとして役立ててください!
知識の量ではなく「書き方」だけで、ここまで答案の説得力が変わるのかと驚くはずです。不合格答案(この記事)と合格答案(次の記事)を読み比べることで、A判定とB判定を分ける「決定的な壁」がはっきりと見えてきます。 ぜひ、あなたの合格へのガソリンにしてください!
👉 【A判定】令和5年度 選択科目Ⅲ-2(再エネ大量導入・電力流通)再現答案と徹底解説
👉 【まずは基礎から】技術士二次試験の根幹!コンピテンシー・複合的な問題について理解する
👉 【実践テクニック】問題Ⅰ・Ⅲは課題抽出がすべて!複合的な問題を整理してA判定をもぎ取る論文構成テンプレート





